キリン電波書簡

一方通行の手紙です

四十五通目

 前略

 ご無沙汰をしています。例年よりも早い桜の開花となりました。3月の末にお花見(アルコールを伴わない純粋な花見)できましたが、気づけばもう新緑の季節。なんだかあっという間に新年度。進学・進級・入社・異動・転居など、環境の変わって何かと体調を崩しやすい時期です

 そういう時に何か「いつもの」があると支えになることがあります。

 以前遠方に暮らす祖父の葬儀に参列する際、色々と神経がぎざぎざしていたのですが、家から持ってきたデカフェの紅茶を飲んだらちょっと落ち着いた事があります。単純にカフェインに弱いから飲み物を確保するために持っていっただけでしたが「いつも通り」が心を落ち着かせてくれました。

 いつも通りじゃないことがスリリングで楽しいという方もいらっしゃるようで、海外旅行によく行っていた人の話を聞いたのですが「この飛行機に乗り遅れたらどうなるかわからないと考えるとヒヤヒヤして楽しい」と言っていました。とても理解できそうにありません。私だったら胃が三回転半ねじれているでしょう。

 

 ともかく、恒常性を取り戻したいのであれば飲み物でも食べ物でも匂いでもいいと思います。スマホの待受に好きな人・キャラクターの画像を設定するのもいいかもしれません。音楽も効果がありそうですね。小さいマスコットとかさわり心地の良いタオルでもいいと思います。五感を駆使して「いつもの自分」に戻れるルーティンがあるとかなり違ってくると思います。

 もしあなたのルーティンがあったら教えて下さいね。

 でも人前で股間を揉むとかはやめておいたほうがいいですよ。

 

 また世間が連休で浮かれている頃にでもまたお手紙を書きます。それでは。

 

 

 草々