キリン電波書簡

一方通行の手紙です

三十三通目

前略

 

 例年より早い梅雨入りで、暑い日と寒い日がはちゃめちゃですが、体調など崩されていないですか。私はばっちり崩壊しています。三十五だからでしょうか。

 

 さて、私は性格が新月の夜よりも暗いので、暗い物語が大好きです。明るく元気で楽しくハッピー! みたいな話も別に嫌いじゃないんですけど、どこかに闇があるといいですよね。

 そんな私が先日Twitterで「面白かったけど胸糞悪くて二度と見たくない映画」の紹介記事がありまして、これはもう見るっきゃないですよね。基本Amazonプライムビデオで見られるものの、今はプライム会員特典(見放題)ではないものも多かったので全ては見られていませんが、ほぼほぼ私の需要を満たしてくれていました。

 

 物語に感情移入するわけではないのですが、たとえば明るくハッピー幸せサイコー! というものを見ると、見ている間はいいのですが見終わった時ふと冷静になった時自分の薄暗い人生との落差に軽く絶望してしまうんですよね。それがホラーとか暗い内容だとその落差が低いどころかこれよりはマシ ということになるのかもしれません。

 楽しいお話が好きな人はきっと楽しい人生を送っているんでしょうね。

 

 とはいえ、自分でもなんで誕生日の夜に暗い話を観たのかは非常に疑問です。

 

 ちなみに観たのは「さがす」です。懸賞金のかかった殺人犯を見かけた と言って疾走した父親を娘が追ううちに、その殺人犯と出会ってしまうお話です。「ここで終わっときゃいいのに」を更に超えるのが鬱映画ですよね。本当に面白いので、ぜひ御覧ください。一度だけ。

 

草々不一