キリン電波書簡

一方通行の手紙です

三十通目

前略

 二月も終わりが近づき、少しずつ春めいてきましたね。今朝も布団から出ることが苦ではなかったです。寒さ自体は嫌いではないのですが、体のほうが言うことを聞かないので……。

 とにかく割と暖かくて気分が良かったので、朝食にフレンチトーストを作りました。数々の条件をクリアしないと食べられない朝食、フレンチトースト。

 ・パンが余っている

 ・牛乳がある

 ・作るだけの元気がある

 ・熱量や栄養価のことは忘れられる

 一つでも欠ければ実行不可能です。非常にレア。

 

 昔はしっかり浸け込まないと卵液が中まで染みなくてイマイチ と思っていたのですが、ネットの偉大な知恵を得てからしみしみふわふわとろとろフレンチトーストをいつでも食べられます。ご存知でない人は最早居ないかもしれませんが一応ここに書き残しておこうと思います。

 

 手順は簡単。卵液にパンを浮かべたら片面ずつ一分レンジにかけるだけ。僕は追加でひっくり返して一分やるとちょうど卵液をいい具合に吸いきってくれました。

 

 あとは適当に焼き目が付いてまぁ火も通ってるでしょ みたいになったらできあがりです。

 卵液は牛乳200ml弱と卵一個、砂糖大さじ1強で良い感じな気がします。甘みは弱いのですが、これにはちみつなりメープルシロップなりジャムなりアイスクリームなりかけたら丁度いいお味です。なければさらに大さじ1を追加でもいいかもしれません。

 

 顎の力がなくても食べられるくらいふわふわとろとろです。私が老人になって硬いものが食べられなくなったらこれにしておくれ という意味を兼ねてこの手紙にしたためました。

 繰り返しますが、熱量や栄養価のことは忘れて食べましょう。

 

 それでは、桜の花が咲く頃までにはまたお手紙を送りますね。

 体調にはどうぞお気をつけください。

 

草々不一