キリン電波書簡

一方通行の手紙です

二十九通目

前略

 今日は夕方から雨が降り出しました。雪にならないあたり、もう春も近いのでしょうか。相変わらずの世情でありますが、体調を崩していらっしゃいませんか。

 

 私のSNSをストーキングされている方であればもしかして気づいていらっしゃるかもしれませんが、ここ一週間近く休暇をとっていました。いわゆる夏休みです。夏でなくても自由に取れるのですが、だいたい二月か三月あたりに取得することが多いです。連休を組み合わせて十連休です。十日も会社に行っていません。

 その間何をしていたかというと、深大寺にそばを食べに行ったり、チョコを食べたり、日頃飲めないカフェイン含有の紅茶を飲んだり、革靴を買って手入れしたり、夜ふかししたり、YouTubeをだらだら見たり、アマゾンプライムビデオで字幕映画を観たり、TSUTAYAディスカスで山のようにCDを借りたり、部屋のいらないものを少しだけ処分したり、1年以上寝かしてきた古いPCを初期化したり、マイクラで深層岩を掘って階段の手摺と門を作ったりとか、そういう色々でした。
 つまりはサイコーってことです。こんなにだらだらできるなんてだらだらの才能があるとしか思えません。何ならもう百年くらいできる。それくらい会社に行きたくありません。仕事なんてしたくない。正直三日過ぎたあたりから「ああもう前半が終わろうとしている……」と憂鬱な気分だったのです。

 こうして書いている今も気分が重くなるのを誤魔化す意味が多分に含まれています。気が狂いそうなので落ち着いたジャズを流しながらコーラをあおって管を巻いています。

 

 正直転職について真剣に考えました。とはいえ私は手に職があるわけでもなく、何かを成し遂げたいという情熱もなく、夢も目標もない人間なのです。辞めてどうするのと冷静な自分が裾を掴んできます。なまじっか人生で二度ほど無職を経験しているとなかなか辛いものがあります。まして、二十代ならまだしも私ももう三十五になろうとしています。可能性は無限大 というわけにもいきません。

 個人のノルマとか営業活動があるわけではないのでそういう面では楽かもしれませんが、ロシアンルーレットみたいないつ死ぬか分からないストレスを抱えながらする仕事ってやっぱりしんどいですね。

 

 ともかく、週明けからは気分を新たに頑張っていこうと思います。楽しい事を探しながら生きていくか、宝くじでも買うしかありませんね。

 

草々不一