キリン電波書簡

一方通行の手紙です

十九通目

前略

 思ったよりは更新頻度が高まらなかったものの、こうして今回更新したこと自体は称賛に値するものではないかと自負しています。褒められたくて書いているのかというとまた違いますけれど。

 

 先日、私の愛用していたマグカップにヒビが入りました。四年以上愛用してきた白、水色、青のボーダーのマグカップです。水平線と空と雲のような色合いで、とても好きでした。特にブランド物というわけでもなく、ホームセンターで投げ売られていた安物なのですけれど、その色合いと手触りに一目惚れして予定外に購入したものです。

 大きさもちょうどよく、重さもほどほどにあり、飽きのこないシンプルな外観が気に入っていました。電子レンジにも対応しているのでカフェオレなんかも作りやすかったです。

 それが、気付けば底面にヒビが入っており、いつ割れてもおかしくないので手放すことにしました。

 では新しいのを と思ったとき、どうにもしっくりくるものがない。折しも世は緊急事態宣言真っ只中。そもそも店が開いてないと来たものです。

 しばらくは代替品で凌いだのですが、お店が開くようになってからはあっちへうろうろこっちへうろうろ。胡乱な眼で探し回りました。

 まぁ、ないことないこと。手に取れば取るほどしっくりこなくて、あっちを立てればこっちが立たず。おまけに瀬戸物のくせに陳列場所が狭く、取り出すことにも気を遣います。しまいには「私はカップで何を飲んでいるのだ?」と錯乱しました。

 徐々に落ち着きを取り戻し、求めている条件を整理すると以下の通り。

 ・シンプルだが、可愛いデザイン。単色だとよっぽど好きな色合いではない限り厳しい。キャラ物は極力避けたい。

 ・手触りがいい。さらさらしているものはまだ良いが、ざらざらごつごつしているものについてはあまり好ましくない。

 ・電子レンジ可。先述の通りカフェオレを作る際、先に牛乳を温めたいので電子レンジが使えないと不便である。

 ・内側が濃い色合いではない。コーヒーのときは気にすることはないだろうが、紅茶の場合は色合いも楽しみたいので、あまり影響が強い色は避けたい。中だけ白いのが好ましい。

 ・小さすぎず大きすぎないサイズ感。小さいと量が飲めないし、大きすぎるとコーヒー単体で飲みたいとき適量なのに量が少ないように感じてしまう。

 ・持ち手に指が二本程度入る。これはそこまで重要視していないが、今までがそういうタイプだったので一本しか入らないと少々抵抗がある。

 ・内側の手入れがしやすい。これもそこまで重視する必要はないと思うが、一個だけ、某メーカーのマグカップは内側に謎の凹みがあり(持ち手との関係?)深さはわからないが茶渋でも溜まったら面倒だなと思い却下した。

 と、こんな感じでひどく面倒くさいのです。Twitterの方ではこれと同じように手帳についてのこだわりを書いたことがありますが、1年で絶対買い換える手帳と生活に密着して破損するまで使い続けるカップとではこだわりの熱が違うのです。お店に寄ってはため息で帰る日々が続きました。が、ようやく見つかりました。

 前と少し似た色合いのマグカップ。別の色合いもありましたが、やっぱりこれが好きなんだなとあまり迷わず購入しました。普段全く行かない雑貨屋だったのでこれは盲点。こういう所に運命の出会いはあるのかもしれませんね。

 なんだか喪失ばかりが続くこの頃ですが、また少しずつ新しい風を取り入れていきたいです。

 それではまた。梅雨があけるまでにはまたお手紙が送れますよう。

 

草々不一