キリン電波書簡

一方通行の手紙です

十四通目


拝啓
梅雨らしい空模様の一日でした。すこし体が重たく感じましたが、健やかにお過ごしでしょうか。

さて、最近バチェラージャパンというAmazonPrimeのリアリティショーを楽しみにしています。シーズン1の時も最終回放送直前に見てはまっていました。今回はリアルタイムで追いかけています。
一人のお金持ち独身男性(バチェラー)をめぐって20名前後の女性が争い、毎回誰かが脱落して最後の一人の花嫁を決める という野暮天極まりない趣旨の番組です。
蟲毒という言葉が脳裏をよぎりますが、別に拳で殴ったりそういうのはありません。煌びやかで演出されたおしゃれ空間の中で己をアピールしていくというもっと恐ろしいものなのでご安心ください。
あくまでもリアリティショーなので、シーズン1で婚約まで行ったバチェラーもシーズン2開始前に破局しています。だいたいがあわよくば芸能界で一花咲かせたいみたいなにおいがプンプンする面子なのですが、そういうのを含めて楽しむ番組だと思います。
女の子に言い寄られてデレデレする男の人を見るのは楽しいですが、最後の方になってくると「え、バチェラーその子選ぶの? 無理。まじありえない……」みたいな局面が出てきてバチェラーを嫌いになる傾向があります。

女性たちは基本集団生活をするのですが、そこでデートに誘われた人と誘われなかった人との間で確執ができたりして非常にめんどくさい感じになるところがリアル。陰でこそこそ悪口言ったりちらっと嫌味を言ったり……端的に言えば地獄絵図ですね。
でもそこでガン飛ばしていた人がバチェラーと二人きりになると甘えた態度をとっていたりして二面性が強調されがちです。

でも果たしてそれを「男の前で猫を被る女」として片づけてしまっていいんでしょうか。ガンを飛ばして他の人に嫉妬するのが本性でしょうか。
媚びを売ると言ったらそうかもしれませんが、好きな人の前でニコニコしちゃうのも当然の事だと思います。あんなのは演技私にはわかる というのもそれを本当に確かめる事は他人にはできないわけです。
「あの人はこうだ私にはわかる」と思ったことってもしかしたらそれを言った人自身の性質なのかもしれません。自分がそうだからあの人もそうに違いないと思うわけですから。
安易な決めつけというのは怖いものなので気を付けましょう。

それではまた雨が降るころに。その時は何か明るい話題を報告できるといいです。

敬具